終わりに

日記

ペットとの別れ

ペットとの別れ

飼っていたインコが亡くなった。気持ちの整理のために文を書く

 もう数年飼っていたオカメインコが最近くしゃみや咳をよくするようになってここ2日くらいはしんどそうにしていた。体が休まるようにとカゴに布をかけても隙間からこちらを覗こうと一生懸命動いていたので僕も何かを察して母親に近くにいてあげてと言った。

 深夜には母親がインコに寄り添い撫でてやっていた。そうしたらしんどそうな呼吸はおさまって、母も少しほっとした様子だった。しかし僕はまだまだ心配だった。こういう時はきっと危ない、なぜかそう思った。そのあとカゴを2階に運んで就寝。

 朝起きたらまたインコがしんどそうな呼吸をしていた。それは昼頃まで続いた。呼吸のせいか餌も水もとることができないインコに母は昨日からスプーンで水をあげていた朝も少しずつあげていたようだった。きっとインコはろくに眠れてもいなかっただろう。眠そうな目でなんどもこちらを向き僕らを見ていたのが印象深い。

 やはり生命維持には水が必要だと思いインコに水をあげてほしいと母に頼んだ。呼吸するだけで精一杯のインコが水をちゃんと飲めたかはわからないが、その直後羽を広げ動き、壁をこついてから姿勢が低くなり動かなくなった。絶命した。

 僕は後悔した。水がおかしなところに入ってしまったのかもしれないしかしあまりにも急に死んでしまった。母は僕にお前は悪くないと言った。

 僕はこの家で何匹かのインコを母と飼ってきてがインコが絶命するその瞬間を見たのは今回死んでしまった「ルビ」と名付けたインコがはじめてでとてつもないショックを受けた。さっきまで呼吸をしていたのにか細くても生きるために呼吸していたのに、それが止まってすぐまるで魂なんてなかったかのようにルビは抜け殻になってしまった。

 母はルビの遺体をなでて「ごめんな 今までありがとうな」と言っていた。僕は悲しくてルビに対してなんだか謝罪の気持ちと悲しみだけがあった。今まで色んな経験をしてきて生き物の死に泣くことはないだろうと僕は思っていた。ルビはあまり僕には懐いていなかった。それでも僕はルビを大切に思っていたし、ルビもたまに僕にかまってくれていた。そして今日の朝もこちらをその目で何度も見ていた。

 僕は本当に心から悲しくて泣いた。たくさん泣いた。きっと酷い表情で母の目も気にせず涙を流した。ルビのもう魂のない体を見てそのあまりにも弱々しい姿を見るのがつらかった。

 鳥は眠るときも立ったままだ。その足で立ち続ける。それをやめて体を地につけるのは死んでしまった時だけだ。

 僕は泣きながらしばらくルビの姿を見ていた。母もルビの遺体を生前のように優しく撫でていた。僕は撫でることができなかった。生前もルビは僕が撫でようとすると威嚇していた。だからかはわからないが撫でようとはしなかった。本当は最後くらいは撫でてやりたかった。昨日少しルビの容態が落ちついていた時に撫でてやればよかったかなぁ。でもルビが一番懐いていたのは母だったから母に撫でられているほうが良いかなと思った。

 気持ちの整理は未だにつかないでもいつもルビには感謝している。あまり楽しい思いはさせてやれなかったかもしれないが僕はルビが家にいることでたくさん癒やされた。心が救われたこともあっただろうと思う。僕の文章なんかじゃ表現できないが今までありがとうルビ。さようならだねルビ。僕はどうやったら今のルビのつらさを軽減できるだろうかとあれこれ考えていたが結局ルビはしんでしまった。ごめんねルビ今まで一緒に同じ家で暮らせて良かった。そのささやかな幸せをこんな別れを通して再確認したよ。

 今までありがとうそしてさようならだよ。輪廻というものがあるなら次はどうか苦しまない最期をむかえるもっと幸せな時間をおくってほしい。ルビにはその資格があるんだよ。僕みたいな人間に一緒にいて楽しい時間をくれたんだから。

 何度でも言うよ。さようならそして今までありがとうルビ。