終わりに

日記

Aくんシリーズ(長編)

友人とその彼女の話
 友人関係って難しい。自分は親友だと思っていても相手にとってはそうじゃなかったりする。
僕の友人の一人にA君がいて彼も絵を描く。彼の話はこれからも思い出話をするときに出てくる。人気者で毎年数回は同級生同士で彼の家で遊ぶ。
中々の変人でねみんなが集まってるのに一人用のゲームしてたり都会の暮らしはどうだいと質問してもまともに話が広がらない。

 

 

A君との関係


 A君は今都会暮らしだけど寂しさはそんなに感じない人らしい。Lineを送っても適当な返事が返ってくるだけで電話をかけてもとらない。かけかえしてくることもない。A君を親友の類だと思っていた僕は余計寂しくなった。友達に必死に連絡とろうとしている自分が滑稽に見えたわけだ。

 「お前友達だと思われてないんじゃね」と思う人もいるかもしれないが不思議なことにA君の母は僕のことをA君の友人として評価していた。ご飯を食べていきなさいと言ってきたり、「Aはいつも○○君の話してる。仲良くしてくれてありがとう。」とか言われる。とにかくそれなりの仲ではある。

 僕はA君のマイペースさにあきれてここ数年は雑な関わり方をしているがそれでもなおそういう評価なのだ。僕が彼にあきれた理由もあとで書く。

A君に彼女ができた

 ある日A君の家に遊びに行く日がやってきた。僕がドアをあけると彼は「今彼女いる」といった。はぁ?と思った。彼女ができた報告なのか今まさに彼女を呼び込んでいるのか一瞬わからなかったが後者だったらしい。

 しかし意味不明だ。友人が集まる日だぞ僕らみたいなオタク系の集まりがいるのだから女子も僕らも気まずい。結局夕方に彼女も交えて晩飯を食べたあと、彼女を別の部屋においたまま僕らは遊んだ。

 何人かはA君に「彼女としゃべってこいよ」と気を使ったがもう寝ているとのことだった。僕らは朝まで遊ぶのでうるさいし余計かわいそうだと思ったしそんな無神経なA君にあきれた。

 5人くらいで遊んでいたがA君と二人がコンビニに行った。僕は残った友人と二人で部屋に残ることになった。これもおかしくないか。友人間の信頼があるとはいえ、彼女と男二人を置いていくとかもう少し警戒したほうがいいと思う。そういう話題は部屋に残った友人もしてきた。


2人の関係について

 別の機会にA君と二人で話すことがあったのであの時のことを質問してみた。A君の意図としては「彼女は友達が少ないから少しでも人と話す機会を作ってあげたかった」そうだ。

 せっかくの機会なので馴れ初めも聞いてみたが闇が深かった。ネットで出会った人間で色々な事情を抱えていて自分がついていないとだめだと思うほどだったので付き合ったらしい。

 A君に彼女がいるのは周知の事実だったがあらためて聞くとそれが闇の深いものだとしてもショックだった。なぜならA君は趣味の絵でさえ僕より実力が上で人気者だったからだ。

 

 僕は一時期本気で誰かに愛されたいと願いそれを実現するあらゆる方法を実行した。今考えれば間抜けだろうけど、勉強したり体を鍛えたり女子に話しかけたり友人を増やしたり本気でやってきた。

 その結果たくさん失恋を経験した。A君はあまりにも簡単に恋人まで手に入れたのだ。本人だってそれなりの努力はしたのだろうけどそんなことまで考慮してしてはこんな文書いていられない。

 とにかく僕が神経質なことは覚えておいてほしい。

 
A君の鈍感さ

 さきほどA君と彼女の出会いは闇が深いと言ったが、彼女本人も闇が深い。A君からの話を聞く限り……あまりこういう形容はしたくないのだがメンタル面において健全ではないと判断した。

 僕は心理学を専攻していたから多少は人に詳しい。A君の話から読み取る彼女はとても妄想癖があったが、A君はそれらをすべて真実だと信じていると言った。

 長年の友人である僕よりも彼女を信じたのだ。しかしそれも仕方あるまい愛する人間をかばうのは当然だろう。別に僕も敵意があるわけじゃないからオブラートに包んで言った。

 A君の言う彼女は「とても物事を考える性格で友人と話すのが苦手。それに心療内科などにも通っているので余計ほうっておけない」と悲しそうに言った。

理解者がほしい 

 長々と文を書いてきたが僕はまた悲しみを味わった。A君には僕は明るい人間に見えているのかもしれない。

 しかし僕も元々考え込むタイプであらゆる事情と自らの心身のことを考えて心療内科に通っている。良い医者に出会えるまでたくさんの苦労をした。僕は友人にはそういうことは打ち明けなかった。

 だってそういう人間は偏見を持たれるし、そんな話をされて幸せな気分になる人は少ないから僕は人には迷惑をかくたくなかった。

 なのに見てみろ目の前の友人は自らの弱さを簡単に人に見せる人間の味方になっている。おそらくそれが僕だったら味方にはなってくれなかっただろう。

 そこにもあらゆる事情があるだろう男女の性差や生い立ち。僕の生い立ちだって幸せではなかった誰にも理解してもらえなかった。親友だと思った相手すら僕のことを知らないんだ。結局僕は悔しいんだ。

 世の中は僕が弱さを見せたらあざ笑うだろうよ。
だから僕は医者や大人にしか弱さを見せないようにしている。人に迷惑をかけない努力をしているつもりだ。高校時代にも平気で自分の弱さを人に見せて同情を誘い友人を獲得するような人間をたくさん見てきた。だからこそその愚かさを年に似合わず理解していたため抱え込むことが多かった。心療内科の類に通うのもそのためでもある。

 しかし友人には理解されない。

 あとあれだA君が寂しがらないのは彼女がいたからだった。ほかにも何人かのネットの友人がいるから寂しくないわけだ。さっき書いたがだからと言って僕からのlineを適当に返したり電話にでないのはおかしいだろう。

 それに僕がA君と遊んでいる時に彼が電話に出て部屋から去ったことがあった。「友人からの電話」だったらしいがその友人とは先ほど話題にでた彼女のことだったのだ。


昨日も友人の配信を見た
 毎週金曜日は友人A君とその彼女のコラボ配信だ。基本劇形式で創作物語的内容を雑談とともにやっていく。正直普段のA君の配信よりこのコンビのほうが見やすいほうだと思う。なんで文句言いながら見てるかというと色々思うところはある僕と創作仲間として活動してくれなかったのや隠し事が悔しかったのもあるけど、一応は友達だから配信見て成長とか工夫が見られるとうれしい部分もある。

 うらやましいんだろうな独りでやってきて鳴かず飛ばずな自分にくらべて人に囲まれて女と創作してる友人が。僕だって絵だけは頑張ってきたけどA君はこの前配信で「自分には絵しかないって言った」なにもかも持ってるじゃないか良い親をもって女もいて絵も描けて持ってるじゃないか。そこが嫌いなんだよ善人のような顔で「みんなにも何かしらある」ってとか言うんだぜ。

定期配信見に行きました

金曜はA君とその友達(以下B子)の定期配信なので見に行った。

最近思うけどA君の話よりB子の話のほうがよっぽど面白い。これは相手が女性だからひいきしているわけではない。実際他の視聴者も金曜の配信のほうが活気づいている。

僕はA君の話からB子は病んでいる人間と判断し彼女の書く文章を嫌悪していた時期があった。しかしA君の献身からかずいぶん健全な道へ向かってるみたいだ。

そこには想像もつかないような努力があっただろう。しかし彼は過保護すぎる気がする配信中やたら彼女のよく考えごとをする気質について心配をもらしたりする。

だが現状のB子は僕が思っていたより自分の気質を昇華し会話や作品づくりに役立てている。それをいつもA君はやたら褒めて「彼女はスゴすぎる」みたいなことを言う。

僕からすればA君が至らないだけだと思う。もちろん彼女の力は認めた上でそう感じた。
あまり人と話せなかった境遇の彼女がべらべら話しているときもA君は「本当によくしゃべるw大丈夫かw」みたいに言っているが、彼は配信者のくせに会話の引き出しがなさすぎる。

そもそも彼は僕ら友人と集まった時でさえろくに会話に参加せずに一人用ゲームをしている男で、みんなが気を使って話しかけても適当な返事で話が広がらない。

そのくせに配信では「有名人と話したい」や「有名になりたい」と言っているそこが気にいらない。

だが彼は天性のなぜか人に好かれる才を持っている。ろくに会話を繋がなくても縁をきられないところや、元彼女と配信をしていることからも垣間見えらだろう。

昨日の配信ではA君はひたすらB子を褒めていた。それはきっとB子に自信をつけてあげるための彼なりの優しさなのだろう。B子は謙遜していて大人だと思った。

人が本人の前で誰かを褒めるのはよっぽどのことがないと無理だ。現にA君は僕を褒めたことは一度たりともない。だからむかつくのだ。さきほどの事情をかえりみてもそう思う。

あれほど人に興味を持たない(普段は口では興味を持っているとか言っている)A君が人を褒めているときに生まれてくるこのジェラシーはなんだろう。

僕の心も健全な状態にあるとは言い難い。状況はB子ととても似ていた。

例えばこのような部分だ
・A君の友人
・創作が好き
・考えすぎる
・突然饒舌になる
・心が健全な状態にない

何度も言っているが、僕はかなり昔にA君に一緒に創作をしようと言った。だが一人でやりたいと断られた。

僕も友人の一人だったのにA君は人に興味を持たないので僕の気質は見抜け無かったが、女の気質に気づきひたすら絵を褒めているのを見ると複雑な気持ちになる。

そう結局はいくらかの友人よりも「女」が大事なんだ。
客観的に見ればA君はB子に救いの手をのばした良い人間だが長らく友人として近くにいた身とすれば、あえて俗な言葉を使うけれど「なんだこいつ」って感じ。

彼らは相互依存に近い。A君の話だけ聞くと彼女がA君に依存していそうだったが配信を見る限り依存しているのはA君のほうではないか。

考えは相変わらずまとまらないけど並々ならぬ感情を抱いていることはわかってもらえるだろうか

 

友人の悪癖
愚痴なのでこれも読まなくていいです。
A君の配信で一人が文学ネタをふった。有名作品のフレーズだったので他の人はわかって面白がっていたがA君はわからないようだった。
そこでB子が「これ知らないのー?驚いたよ」といった時A君は逆ギレした。

昔から彼は指摘されると開きなおったり逆ギレする癖がある。それは幼なじみの友人たちと集まった時も同じである。それが笑いにつながることもあるが、大抵は彼の機嫌が悪くなって終わる。
別にわからない、知らないことは悪いことでは無いけどその反応はどうかと思う。

普段から成長したいや有名になりたいと言っている彼だが決してそういうところはなおさない。配信者としてやっていくならもっと面白いリアクションや話を広げたら良いのにと思う。